運動習慣の低い方への運動指導のポイント10(前編)

医療保険者(組合様)の加入者の職種は多種多様なため、特定健診の受診の呼び掛けには限界があり、組合様は受診率の目標値は非常に高いハードルと受け止められています。
そのため、組合様が実施機関を選別する際に、受診率の向上が大きな要件になっています。
これは従来の実施機関の役割を超えたサービスですが、最近では健診センター様、クリニック様の中には、独自のサービスを開発、運営されて成功している機関が増えてきました。
ここでは、成功している健診センター様、クリニック様の成功事例とともに、特に受信率向上のポイントとなる運動習慣の低い方への運動指導のポイントをご紹介します。

ポイント1

健康情報についてのエキスパートが求められています
【大手自動車会社の健診センターW様の成功事例】

姿勢計測スペース健康情報がメディアなどで多く取り上げられる中、間違った情報やあたかもすべての方に効果効用が期待できるような表現があるなど問題点が多数あります。
これらの情報に対して十分な理解のないままウォーキングやダンベルなど自宅での運動を実施し、けがなどが発生したり、体の調子を崩してしまうケースがあります。
大手自動車会社の健診センター様は健診の待ち時間を利用して、「健康学習フロア」を設け、健康と生活習慣についての「健康学習会」を行っています。
健康学習フロアには、体力チェック、栄養チェック、カラダ(姿勢)チェックなどの機器が置かれ、自分の身体についてや生活習慣について、ゆっくり考えて頂く場を提供しています。
希望者は自分のカラダ(姿勢)についてや、運動方法を相談できるようになっており、日頃から疑問に思っていた身体や健康についての質問(腰に違和感がある、最近血圧が高めである、足がつるようになった、歩行中に膝に違和感がある)などに答えながら、生活習慣の改善方法を「自発的に」考える場を提供しています。
これまでの健診センターから1歩進んだ役割を担う健診センターW様の事例、お客様に「受けて良かった」と言っていただけるサービスを目指しているとのことです。

ポイント2

「運動健診」によって健康づくりのためにお客様に合わせた運動を指導しています
【大手生命保険会社の健診センターM様の成功事例】

身体のゆがみ測定会ページ健診センターM様では、体組成チェック、身体のゆがみチェックなどのウェルネスイベントを定期的に開催し、お客様の健康に対する意識を高めながら検診の集客にも利用しています。
特にメタボリック予備軍のお客様には健康に対する意識が低いケースが多く、栄養や運動についての指導のみでは最近のテレビや雑誌の健康に関する情報と差別化が難しく、お客様の関心を高めることは難しかったそうです。
お客様ご自身の体重、体脂肪、身体のゆがみ、どんな筋肉が使われていないかなどの情報は、お客様の日常生活の中での身体の変化を如実に示しており、お客様の生活習慣病等による将来的な身体の変化、老化のイメージを高めるのに大きな効果を示しています。
またM様では以前より「運動検診」という体力、持久力などの測定を元にお客様に合わせた運動指導を行っていますが、これに加えて、運動習慣の低いお客様を対象にした身体のゆがみ測定と改善体操教室が大変ご好評とのことです。

ポイント3

「腰痛教室」などの公開イベントを通じて、お客様に身体についての知識を高め、一般検診、特定検診の告知も行っています。
【大手電機メーカーの健診センターB様の成功事例】

大手電機メーカーB様は、受診率の向上や健康についての啓蒙活動の一環として、全国の事務所や工場などで社員やその家族を対象とした健康に関するイベントを多数行ってきました。
しかしテレビなどでは健康関連の情報番組が数多く放送されており、お客様の興味関心を引きつけるイベントが難しく、社員やご家族の参加者をどのように増やすかが悩みの種だったそうです。
腰痛などの悩みを持っている社員向けのイベントはアンケートを通じて最も要望の多い一つでしたが、過去は講義などが中心のイベントのために参加率はそれほど上がりませんでした。
一方、現在ではお客様参加型の「腰痛教室」を定期的に開催されています。
お客様の身体のゆがみチェックなどを行い、その場で腰痛予防の運動指導をすることで、口コミも合わせて問い合わせも多く、非常に高い参加率を達成できています。

ポイント4

検診後やイベントで体組成、身体のゆがみチェックのサービスを行い、地域のお客様に告知を行っています。
【病院併設の健診センターO様の成功事例】

姿勢計測風景健診センターO様では、一般および特定健診後に希望者には無料で体組成測定と身体のゆがみ測定を行い、簡単な健康相談とアドバイスサービスを実施されています。
また地域のお客様に対するPRの一環として、週末には体組成計測と身体のゆがみ測定を行い、運動アドバイスを無料または低価格で行っております。
企業の福利厚生担当者にも見学に来て頂いているとのことですが、このサービスが非常に評判が良く、企業様に直接訪問してのセミナー依頼も増えているとのことです。
今後はこのような付加的なサービスを用いながら、事業者様および従業員様との良好な関係を築いていきたいとのことです。

ポイント5

成功事例における、受診率向上のポイント

ここに紹介した実施機関様の成功事例における共通点として以下があげられます。
①他の実施機関と比べてメリットがあり、一般・特定健診の継続利用につながるサービスを受診者様に提供している。
②事業者様に実施機関として受診率向上のための差別化のサービスをうまく伝えている。

後編では、差別化のサービス運動習慣の低い方にも興味関心を引きつけることができる運動指導のポイントをご紹介します。

 

この記事を読んでいただきありがとうございます。

黒田篤

記事について:

黒田篤 ジースポート代表取締役

東京大学理学系研究科修士課程にて医療画像処理を研究後、ゴールドマン・サックスに入社しITおよびリサーチに従事。2000年にジースポートを創業後、姿勢や運動の計測・評価技術について多くの研究開発と商品化に携わっています。

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